2026.07.23
工事工程 6 基礎墨出し コンクリートに実物大の線を引く
みなさま、ごきげんよう。
カクイチA-SITE伊那インター店でございます。
こちらのブログでは、
「倉庫や車庫、どうやって建てていくの?」
を一つずつお話しております。
前回は、「5.捨てコンクリート工事」でした。
今回は、「6.基礎墨出し」です。
今回行う ① 墨出し(すみだし)のため
次回行う ② 型枠や鉄筋を正確に組むため
③ 作業性の向上(職人さんの足元安定・泥の混入防止)のため
地盤の上(防湿シートの上)へ、薄くコンクリートを流し込む工事のお話をしました。
今回は、特別ゲストの博士に登場していただき、いろいろ聞いてみたいと思います。
博士!お願いします!
「教えて!博士!」のコーナーじゃよ。
今回は、工事工程 6.基礎墨出し について、科学の視点も交えながら分かりやすく解説していくぞ!
(1)何を使って、どうやって書くの?
「墨出し」という名前の通り、「墨つぼ」という道具を使うのじゃ。
墨を染み込ませた糸をピンと張り、指で「ポンッ」とはじくことで、コンクリートの上に真っ直ぐな黒い線(墨線)を引くんだよ。
最近では、水平や垂直などの基準を正確に示すために、「レーザー墨出し器」も使われるのじゃ。
レーザー墨出し器と墨つぼは、役割が異なるから、現場では二つを組み合わせて使うことがあるのじゃ。
- 図面や基準をもとにレーザー光を照射して、「位置と方向」を確認する。
- 確認ができたら、墨つぼで「実際の線」を付けていくぞ。
墨糸を張って、「パチン!」と弾く!すると、糸に含まれた墨がコンクリートの表面へ移り、真っすぐな線が残るのじゃ。
墨が使われるのは、「墨だけに特別な化学的能力があるから」ではないのじゃ。残念!
一番の理由は、墨つぼを使って、長く、細く、まっすぐな線を一度に引けるからなのだよ。
建築用の墨汁には、黒い色をつけるカーボンブラックなどの顔料と、それを水の中に分散させ、表面に付着させる成分が含まれておる。墨の細かな顔料は、コンクリート表面の小さな凹凸にも入り込み、乾くと線が残るのじゃ。
※ただし、普通の墨汁は雨や摩擦で薄くなることもあるから、屋外では雨に強い建築用墨汁を使うこともあるぞ。
部分的な印をつけるだけなら、マーカーやチョークを使うこともあるぞ。でも、
- ペンキ: 塗るのに手間がかかり、線も太くなりやすい。
- マジック: 長い距離を一度に正確に引くのは難しい。
長い歴史の中で、墨つぼと墨の組み合わせが建築現場の作業にとても適していたということなのじゃよ。
レーザー光には、光が狭い方向へまとまって進む「指向性が高い」という特徴があるのじゃ。
普通の光が『広場へ散らばって歩く人々』なら、
レーザー光は『一糸乱れぬ兵隊さんの行進』のようなものじゃ!
ただし!レーザー光も全く広がらないわけではない。
建築現場で使われるレーザー墨出し器の多くには、振り子が入っていて、重力で真下を向こうとする力で水平・垂直を自動で整えようとしてくれる。
しかも!機種によってはマグネットダンパーが振り子の揺れを素早く止めて、光の線が安定するようになっているのじゃ。
この2つの仕組みで正確な基準を出しているのだよ!
(2)どんな線を引くの? 3種類のガイドライン
現場のコンクリートの上には、図面をもとにして、柱や壁、基礎などの位置を実物大で示していくぞ。
【墨出しでよく聞く言葉】
- ① 通り芯(とおりしん)
- 建物の柱や壁の中心を通る、基準線。
- ② 逃げ墨(にげずみ)
- 壁が立つと中心線が見えなくなるため、30cmや50cmなど、離れた(逃がした)場所に引いておく確認用の線。
- ③ 地墨(じずみ)
- 床面に直接引く墨のこと。①通り芯や②逃げ墨のほか、柱・壁・基礎などの位置や幅を示す線も地墨に含まれる。
この後の工程では、鉄筋を組み、型枠を立てていく。最初に引いた「①通り芯」の上に材料がのるので、見えなくなってしまうのじゃ。
しかし、少し離れた場所に「②逃げ墨」があれば、
「この逃げ墨から500mm戻ったところが、本来の通り芯だ!」
と、いつでも基準線を割り出すことができる。反対に、鉄筋や型枠ができた後も、逃げ墨から寸法を確認すれば、正しい位置に組まれているか確認することもできるのだ。
博士!沢山のお話ありがとうございました。
今回のお話は、ここまでといたしましょう。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
【建築・工事工程シリーズ 次回予告】
次回は、「7.基礎配筋・型枠工事」のお話をいたします。
職人さんたちはどんな作業をしているのでしょうか?次回もお楽しみに!
みなさま、ごきげんよう!